鹿島アントラーズ 伝説のスカウトマン
「スカウト」…
プロサッカークラブでいうそれは新人に限って言えば将来クラブの主軸となるアマチュア選手(高卒・大卒)の獲得が仕事。
突然だが「サッカースカウトマン」という本をご存知だろうか?著者はかつて伝説のスカウトマンとうたわれた鹿島アントラーズ平野勝哉前スカウト担当部長である。内容は詳しく書けないので本当に簡単になってしまうが「面白い」。鹿島アントラーズサポーターでなくてもスポーツが好きな人であれば選手を獲得する際のエピソードなど楽しめると思う。
その前スカウト担当部長からバトンを渡されたのが椎本邦一現スカウト担当部長である。元々は鹿島アントラーズユース監督。スカウトに転身してからは前スカウト部長と共に多くの選手をクラブに入団させてきた。
高卒・大卒合わせて実に47人を鹿島アントラーズに導きうち16人をA代表へ送り込んだ。この中には今年の夏、日本を熱狂させたロシアワールドカップで主力中の主力として活躍した鹿児島城西高の大迫勇也、青森山田高の柴崎岳、米子北高の昌子源。また出場こそなかったが今後の活躍が期待される大津高の植田直通も含まれている。2002年日韓大会まで遡れば内田篤人、岩政大樹、小笠原満男、中田浩二、柳沢敦など少なからず日本代表にも影響を与えてきたと言える。
今まで入団してきた選手は将来を有望視されてきた選手だけではない。ほとんど無名だった選手を獲得しクラブの主軸・日本代表にまで登りつめた選手も少なくない。今回のロシア大会で言えば昌子源がそれに当たる。
椎本スカウト部長のモットーは試合会場まで足を運び自分の眼で選手をみる。映像はみない。他のクラブのスカウトが「良い選手がいる」と言っても実際自分の眼でみるとそうでもないこともあるそうだ。常に眼を光らせ年間300試合をみる。私の中では椎本スカウト部長もすでに「伝説のスカウトマン」なのだ。
注目している選手がいる。今年プロ2年目の安部裕葵。2年目であるが今や鹿島になくてはならない選手に成長した。彼にオファーを出したのは鹿島アントラーズのみ。瀬戸内高初のプロ選手が誕生した。かつて鹿島で10番を背負った本山雅志にプレースタイルが似ていると言われるが似ているから期待するのではなく鹿島のスカウトが入団させた選手だから期待しているし今後の日本代表入りも楽しみである。
鹿島のスカウトはクラブのみならず日本代表にとっても重要な仕事をしている。今後も期待せずにはいられない。